MiYA

薄化粧のMiYAのレビュー・感想・評価

薄化粧(1985年製作の映画)
3.4
罪を犯した男(緒形拳)の逃避行を描くって「復讐するは我にあり」と同じじゃん、と思いきや、本作の彼はわりと陰影に富んだ複雑なキャラクターで、感情を揺さぶってきます。逃亡を続ける現在の姿と、罪を犯してしまった過去の姿を交互に描く構成が効果的です。

印象残るのは藤真利子の艶技かな。犯罪者に惚れ込む女というのは、素直に感情移入できないものですが、孤独な彼女が懸命に男を追いかける姿は健気です。それだけにあの幕切れは切ない。

ジャケ写は松本伊代なのか。女優としての印象のない彼女ですが、緒形拳に啖呵を切って翻弄する様子はなかなかの芝居でした。

BS松竹東急「よる8銀座シネマにて。
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