ゴン吉

薄化粧のゴン吉のレビュー・感想・評価

薄化粧(1985年製作の映画)
4.0
1950年に起きた実際の事件をもとに犯人の逃亡劇を描いた作品。 
緒形拳が主演、浅利香津代、浅野温子、宮下順子、松本伊代、藤真利子、川谷拓三らが共演。
五社英雄が監督を務める。  

昭和20年代。坂根藤吉(緒形拳)はダイナマイトで民家を爆破した罪で逮捕される。これがきっかけで妻(浅利香津代)と息子の殺害も発覚する。坂根は留置所でカミソリで頸部を斬って自殺を図るが一命をとりとめる。その後、坂根は独房から穴を掘って脱獄し、北関東の採掘場で働きながら潜伏し、飲み屋を営む内藤ちえ(藤真利子)と知り合う…  

1人の爆破犯の男を主軸に様々な女性を絡ませながら男女の欲望を描いている。
実話ベースというのが凄い。
仕事の採掘業で手に入れたダイナマイトで民家を爆破するなど当時の世相が伺える。
次々と女性と関係を持ちながら生きてきた坂根。
彼女たちを演じる体を張った女優陣の競演も見どころです。
特に藤真利子が演じる内藤ちえが、坂根が犯罪者であると知りながらも関係を続けるのが切なくも健気です。
彼女が板垣に描いた眉墨の薄化粧が印象的です。 
"この話は実話である 昭和二十四年夏 ー 
  事件は ここで この場所で おこった” 

2023.9 BS松竹東急で鑑賞(よる8銀座シネマ)  
第9回 日本アカデミー賞で優秀監督賞、優秀主演男優賞、優秀助演男優賞、優秀助演女優賞、優秀音楽賞を受賞(1986年)
ゴン吉

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