ねこまるキャット

ROMA/ローマのねこまるキャットのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.7
『白黒』×『芸術』
家族と家政婦の日常を追うモノクロ映画。
ストーリーより芸術的な映像を楽しむ作品です。

カラーでは表現出来ない、モノクロ映画ならではの"魅力"というものを、人に伝えるほど意見をまとめていなかったのですが、この映画を見て自然と意見がまとまりました。

白の中にある黒、黒の中にある白。

白と黒の"対比"はやはり美しいです。

雨上がりの夜、窓ガラスに滴る雫に、光が反射するだけで美しい。

昼と夜、陽の光、土埃、煙、水、火。

何気ないシーンの、照明のオンオフですら"芸術"にしてしまうあの表現は、モノクロでないと成り立たないでしょう。

そして何と言っても、今作一番の見せ所である"海"。

海水と反射、陽の光と逆光、強調されるシルエット。
カラーでは絶対に表現出来ない、美しすぎる映像は圧巻です。

まさしく"芸術"。

ストーリーは本当に日常的で、家政婦の主人公が、自分の居場所について考え、心境を考察する類のお話です。

フルチン棒振りバカ、山火事熱唱男、体幹バランスお化け、度々登場する飛行機とか、意味深なシーンが正直多いですが、まぁ芸術的な意味があるのでしょう。

そこら辺に関しては、考察するほど興味が湧きませんでしたが、とにかく映像は"本当に綺麗"なので、モノクロ映画に抵抗があっても、癒されると思います。

主に環境音ですが、音響もかなり凝っているのでどっぷり世界観に入り込めます。

未鑑賞で興味があれば、部屋を真っ暗にして是非⚪️⚫️