かじドゥンドゥン

ROMA/ローマのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.4
1970年代のメキシコ、コロニア・ローマが舞台。学者夫婦と4人の子どもの家庭に住み込みで仕える家政婦クレオは、夫との不仲で荒れる女主人に翻弄されるも、みなから家族のように愛されている。

交際中の青年の子を宿したクレオがそのことを彼に打明けると、彼は逃げ出してしまい、クレオが逃亡先の街に押しかけると、暴力的な脅しで追い払われる。途方にくれながらもどんどん膨れてゆく腹を抱え、クレオが女主人の母とベビーベッドを買いに出掛けた先で、政治デモの混乱に巻き込まれ、目の前で人が殺められた衝撃ゆえか、破水、死産。

夫との別居(やがては離婚か)が決まって吹っ切れた様子の女主人が、傷心のクレオと子どもたちを連れ出して海へ。子どもの見張りを命じられたクレオは、幼児二人が高波に飲まれるのを見て、命がけで救出。家族みながクレオに抱き掛かって、その存在のかけがえのなさを確認する。そのときクレオは慟哭し、実は自分が赤子を欲してはいなかったこと、生きて産まれて欲しくはなかったことを打ち明ける。

帰宅すると、夫が自分の荷物を持ち出して、部屋割りも一新されている。父との別れに動揺していた子どもたちは、そんなことも忘れ、新しい生活に胸躍らせ、クレオもまた賑やかなこの邸で家事に復帰する。

全編白黒。