とむ

ROMA/ローマのとむのネタバレレビュー・内容・結末

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

画がすげぇ、画がすげぇと鑑賞済みの人から聴きまくっていて、どんなもんだよと観てみて一言。

「画がスゲェ。」

又聞きの受け売りだけど、
これほとんどのカットをアルフォンソ・キュアロンが撮ってるんだよね?

僕が知ってるキュアロン氏の映画って、
どれもダイナミズムというか、
かなり「動」的な映像が多い印象なんだけど(少なくとも近々の「ハリーポッター」「トゥモローワールド」「ゼロ・グラビティ」はそうだと思う)、
今回の映像は圧・倒・的に「静」。

精密に構築された動きの少ない
(念のため補足するけど、決して動きが"無い"訳ではない)映像で、
多分一回見ただけじゃわからないような細かい配置や構図になっているのがありありとわかる。

ファーストカットの水溜りに写り込む飛行機(その後も何回も出て来るモチーフですが、なんのメタファーなんだろ)だとか、
横パンの使い方だったりとか、かなり特徴的な手法がその証明になってるというか。


あとはなんだろう、
内容に関しては、エドワード・ヤンの遺作にして最高傑作の「ヤンヤン 夏の思い出」を少し彷彿とさせる感じがありました。
特に近いストーリーではないんだけど、
クレオとフェルミンとの関係とか、子役の感じとかからかな。

波に飲み込まれそうになる兄弟を救って、独白するシーン。(しかも長回し)
もしかするとあれこそが、アルフォンソ・キュアロンの実体験で、
あそこをこそ描くためにこの2時間はあるのかもしれないね。
とむ

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