ゆず

記憶にございません!のゆずのネタバレレビュー・内容・結末

記憶にございません!(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「内閣支持率2.3%」「史上最悪のダメ総理」と国民から嫌われる総理大臣が、記憶喪失になってしまった…というコメディ。有働由美子さんの厚化粧にエンドロールで気づき、それが一番笑った。

いきなり病室から始まり、記憶喪失の主人公・黒田と同じくわけが分からないまま進んでいく。その「わけの分からなさ」が前半は面白味になっているが、最後まで別の意味で分からなさが残ってしまった感がある。
そもそも記憶を失う以前のダメ総理黒田がほぼまったく描写されないのがダメだと思う。傲岸不遜な悪徳政治家と、記憶喪失で性格が改善された謙虚で真面目な素人総理。このギャップの妙をまったく感じられない構成ははっきり言って失敗なのでは。
最後は、記憶を失ったことで善良な人間に生まれ変わるチャンスを得た、つまり「人は変わることができる」というようなことを言いたげだったが、鑑賞者からすれば冒頭からずっと黒田は良い人だったわけで、あまり響かない。名前の「黒田」が全然似合わない人のまま終わってしまった。

記憶喪失を隠さなきゃいけないという「嘘」を物語の軸に置きながら、そんなにドタバタしていないのも残念。
テンポが悪く、最終的に夫婦愛がクライマックスになるところは絶対昭恵夫人サイドからの横槍があったと疑いたくなるくらい、これじゃない感がある。
ゆず

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