夜行列車に乗ったカリート

ミステリーロード2/悪徳の街の夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

4.0
失踪者の捜索に、先住民の刑事ジェイ・スワンが挑む。ハードボイルドポリス映画。

オーストラリアの奥地ゴールドストーンで女性の失踪者を探すジェイ。
しかし町は汚職や買収にまみれ、鉱山会社に支配されていた…というストーリーです。

まず、主人公ジェイに哀愁があります。
前作では割りとパリッとした警官だったのに対し、本作はタンクトップにボサボサ頭。いつも酒浸りで酔っぱらった感じです。
そうなった原因は娘を失ったことに対する虚無感からか…。
作品内では多く語られませんが、このボロボロのジェイが吐く台詞・行動が、良いですね。

作品の中には、先住民の居住問題、女性の人身売買、住人・警官の買収など、複数の問題が絡み合っています。
それらを1つの物語として紡いでいて、映画作品としても非常に良かったと思います。
前作の抑揚の無い演出も抑えられていて、見やすくなってました。

どうしようもない不条理な力に、何も出来ずとも抗うのか、耐えてただ生きることを選ぶのか…
「世の中はあんたに合わせない、あんたが合わせるのよ」…という女郎の世話役が言う台詞も理解できるし、「もっと何か出来たはずだ」…という地元警官にも同意できます。

要は「自分の人生を生きる」ということですけど、普遍的なテーマですよね。
面白かったです。