Sachiko

ラストレターのSachikoのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
3.8

久しぶりに爽やかな作品を観た。

爽やかだけど切ない。
久しぶりに感じたような
切ない気持ちになった。

最近 観た後に どんよりする映画を
続けて観ていた気がするから
本で言うなら読後感が良い…
映画だったらなんていうのかな。
とにかく限りなく「綺麗」
逆に言うと現実味がない感じ?

唯一 松たか子が俗っぽいことで
現実に引き戻してくれる。

宣伝で聞いてた時は
何がどう絡みあってるのか
よくわからなかったけど
観ていくうちに、なるほど と
納得できていく感じ。

映画が終わる頃には
色々 繋がってあきらかになり
良かったね~で終わった。

ただ一つ 気になったのは
何故 トヨエツと駆け落ちしたのか。
そこだけが判明しなかった。
もしや 続編があるのか?

映画のロケをした白石市に
住んでいる者だが、
舞台となった白石高校の旧校舎が
もうすでに壊されて更地になってたことを
映画を観た後に知った。

鮎美のおばあちゃんの家や
お葬式をしたお寺も
先日の台風19号で被害を受けて
撮影時の状態は留めてないとか。

岩井俊二監督が震災で変わってしまった街を見て
残しておかなければと思ったといっていたが
まさにその通りになったのだ。

もう旧校舎は映画の中でしか見られない。
無くなる前に映像に残って本当に良かった。

白石でロケをしたのは2年前だったそうで、
ロケしてた場所のすぐ近くで働いていたのに
大好きな広瀬すずやら福山やら
神木くんやら撮影してたなんて
まったく知らなかったことに
深く後悔した。

一目でいいから見たかった(笑)

それでも、残ってる場所に
映画を観た後に行ってみて
ここに、広瀬すずが立ったのかと
思うだけでゾクゾクした。

聖地巡礼する人の気持ちがわかった気がする。


映画館では、地元のおばあちゃんたちが
お茶の間感覚で ずーっと喋りながら観てて
まぢでぶちギレそうだった。

心の声が そのまま出てるというか
笑うなとは言わないけど
「亡くなりましたよ」の台詞の後
大笑いするのは何故?

知ってる場所が映るたび
その場所の解説はいらないよ。

田舎の映画館はこれだから嫌だ。

久しぶりに椅子をキックされたし。

観賞マナーが酷すぎる。

それでも、いつもはガラガラの
映画館が埋まっていたのは
有り難いと思うべきなのか。

エンディングで流れた歌。

どこかで聴いたことがある気がする。

サビは、ユーミンの「春よ」だっけ?
一青窈の「あこるでぃおん」にも
どことなく似てる。

でも、好き。
頭に残るね。

泣けそうで泣けない。

でも、甘酸っぱい感覚は甦った。

福山とトヨエツの口髭の形が一緒で
ちょっと気持ち悪かった。

ミポリンのラブレターを観たのは
何年前だったか忘れたけど
老けたねぇ。
味が出た…ともいう。

水越けいこも懐かしかった。

「ラストレター」は読まなくてもいいけど
「三咲」は読んでみたいな。

発売されないかな?

白石に聖地巡礼が増えて
街が活性化することを狙ってる
のかもしれないけど…

だったら白石高校の旧校舎
取り壊さないで欲しかったな。

女子の制服 可愛いと思ったら
常盤木のだった。

白石高校が まだ男子校だった時
年に一回 文化祭に行くのが
唯一の交流の場だった時代。

映画の中に出てきた
体育館への渡り廊下。

懐かしかった。


とりとめのない感想になった。


あ、答辞の文章は
凄く心に響いた。

そして、パンフレットはお勧め。
久しぶりに買って良かったと思った。

表紙が写真みたいになってる。

大事に残しておきたい一冊になった。
Sachiko

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