はぐさん

永遠の門 ゴッホの見た未来のはぐさんのレビュー・感想・評価

3.8
病気や貧困、孤独に蝕まれるゴッホ(後期)の人生を辿ります
正直言ってしまうとデフォーで持たせる映画です
それ程デフォーが生き移しのよう
カメラが急にゴッホ自身の目線になる視界ジャック的なことが起こるためか没入度高め
ゴッホ目線の時たまに下半分がぼやけるのは謎

若い頃から精神病を患い、この世に居場所が無いと言うゴッホの苦しみが淡々とだけどヒシヒシ伝わるのは、絵を描いているときの穏やかな時間が少しだけでもあったから
草原を笑顔で走るデフォーは哀しくもゴッホが見る光と草木は美しかった
画かないと死ぬという台詞もありましたが晩年過ごした療養所だけでも凄い数画いてます
その数だけ少しの希望とたくさんの苦しみがあったのだと思うと胸が痛い

タイトルにもあるきっと未来のために画いたんだという旨の台詞があるけど
彼の時代からみて未来となる今現在ひまわりが50うん億円とかね、穴の開いた靴下で命を削って画いたであろう作品だからこそ報われてほしかった故に皮肉だな思う
それと伴に早すぎた天才って本当にいるんだなと

もちろん善人じゃないのは重々承知だけど前述の視界ジャックが羊飼いの女の子目線になったの怖かった

勉強不足の私でも糸杉画いてる!とかモネは良いとか言ってる!とかで多少沸いたので、造詣が深い人が観たらもっと沸くポイントがあるかと
全体的に静かな映画だけどゴッホの早すぎた孤独な天才ぶりとデフォーを堪能できる作品でした

数年前にあった「ゴッホとゴーギャン展」とかゴッホ嬉しかっただろうなw
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