昨年は、ルーベンス展とフェルメール展、ムンク展に行くことができたが
今年はゴッホ展に行けるかどうか…
予定していた、ゴッホ展→映画観賞。
その流れは逆転したけれど、まずは本作をスクリーンにて。
凡人の芸術論ほど野暮なことはないので
割愛。
ウィレム・デフォーの痩躯が、
この役をやる為に授かったとさえ思えるほどハマってはいる。
極めて個人的に「お!」となるシークエンスがいくつかあり。
やおら靴を脱ぎ、おもむろに筆をとる。
汚れたブーツ。お!「MR.BIG」
まっっったく関係ないけど…
ポスターにもある、天を仰ぐゴッホ。
お!「プラトーン」
まっっったく関係…なくもないのか…
土を感じ、風を聴く。カトリックの彼が
「神は自然であり、自然は美しい」と語るのは、極東渡来のジャポニズムが自然崇拝の八百万神の国だと知ってか知らずか。
草木を対話的に描き、人物こそを無機的に捉えているように凡人の目には映る。
五感を使っても描ききれず、ついには第六感が優位に立てば、周囲からは正気を失った精神薄弱として唾棄されることになるが、他人の思考から漏れ出すことは
狂気ではなく、あくまでも純粋な表現願望だったとは思う。
映像としては、POV方式に抵抗ない人であれば大丈夫だろうけど、手ブレに画面酔いする不安のある人にはちょっと…
一人称視点のリアリティーは個人的に好きなほうだが、演技派の長所が活かせていない残念さも。
アルルという町に生かされ殺される。
その不運と非業は上手く見せていたし、
なにより描き続けられた彼の幸運は確かめられたので善し。