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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のyumaのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

1949年の若草物語を事前に見たからこそのこの点数だと思います。というのも、1949年の若草物語を見るまでは本当に「若草物語」というものに触れたことがなくて、事前に知識があったからこその感動がたくさんありました。

1949年版と大まかな話の流れは同じだったのに感じ方が全く違いました。グレタ監督は、ジョーがニューヨークに出て来た後の出来事を主軸にして、ポイントごとに少女時代の回想を流して、主軸の流れに深みを持たせたり、感動を倍増させていて、息を呑みました。
ただ、主軸と回想を交互に流すだけだと分かりづらくなってしまうと思うんですけど、この映画は主軸は寒色系、回想は暖色系とフィルターのようなものを使ってくれているので混乱することは全く無くて、この編集に気づいたときもびっくりしました。

いつ、どの場面を切り取っても画面が常にお洒落でした。僕は男なので普段あんまり風景とかに対して可愛いという感情は抱かないんですけど、そんな僕でもめちゃくちゃ可愛いと思うシーンしかなかったです。服装も家具も街並みも色使いも全部が可愛いかったです。そんな中でも、女優さん達が美人すぎて輝いて見えていました!ほんとにみんな可愛かったし、めちゃくちゃ演技が上手でした!!

原作の作者であるオルコットさんがジョーのモデルになっていて、オルコットさんは結婚という選択を生涯することはなかったのに、何故自分の分身であるジョーには結婚という道を歩ませたのかが疑問でした。
そんな疑問を踏まえて上で、グレタ監督はとても良い結末を作ってくれた思います。ラストで敢えてジョーとベア教授の関係を曖昧にすることで原作のラストも示唆しつつ、オルコットさんの生き様を敬い、結婚はしていないというラストをも示唆するという、これに気づいたときは鳥肌が止まらなかったです。だからこそ、ベア教授とジョーの間の恋愛感情が育まれるようなシーンがほぼ無かったんだなと感動しました。
(主軸と回想に分けるという構造のおかげで、まるで回想シーンはジョーが手掛けた若草物語のお話のように見えてしまいました。だからこそ、ベア教授とジョーの関係がフィクションなのか、現実なのかを曖昧にすることが出来たんだと思います。)

本作を見て、改めて脚本や編集などが作品の雰囲気の肝を握っているなと本当に感じました。ほんとに凄いものを観たと思っています。

原作を読んでまた絶対観ようと思います!観てから、もう1日経ったけどまだ余韻に浸ってます笑 感動をありがとう!

“悩みが多いから、私は楽しい物語を書く。”
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