Ginny

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のGinnyのレビュー・感想・評価

3.5
若草物語の知識は『ガラスの仮面』のみの人の感想です。北島マヤが高熱で迫真の演技してたなあ。麗がジョーだったなぁくらい。

過去と現在が入り乱れる複雑な構成だけれど、髪型や役者の表情、画面のトーンなどで区別したり、ベスの悲しい展開の時は対比的に描くなど効果的に使われていてそれには感動しました。

ただ内容的にはジョー、エイミー、メグ辺りに好感が持てずあまり 入り込めませんでした。
一番ショックだったのは、姉2人のお出かけに連れて行ってもらえなくて怒ったエイミーがした行動。
やって良いことと悪いことがある、と憤慨して理性を失いそうになりましたがフィクションの中の出来事はあえてひどく描き、人々が読むことで同じ過ちを繰り返さないように、と意味が込められていたらいいなと思うことにしました。

レディバードもしっくりこなかったので私はグレタガーウィグ監督と相性が悪いのかな?なんて思いました。

シアーシャローナンの演技は本作でも素晴らしかったです。
また、ティモシーシャラメも最高。彼は顔だけじゃないですね、本当に。
レディバードのシアーシャとティモシーを見てると同一人物?って不思議に思ってしまうくらい本作では違う雰囲気なので2人とも演技が上手。
本作のアカデミー賞ノミネートで知ったフローレンスピュー、演技は初めて見ましたが低めの声が魅力的なのと真っ直ぐ感情が伝わる演技好感持てました。
ベス天使。

若い勢の演技にうんうんいいなあなんて思った隙にローラダーンの目の演技見せられるとハート射抜かれる。
さらにメリルストリープ。痺れる。

エマワトソンは 自分がハリポタ好きすぎ時代から他作品で見かけると何故か羞恥心が強く出てしまう謎の癖があり、彼女の演技をまっすぐ評価できていない気がしないでもないです。
でもいつ見ても同じでは?と少し物足りなさを感じてしまいます。

これを見ていて、シアーシャローナンはメリルストリープみたいに作品によって見せる顔がガラリと変わるタイプかな。
ローラダーンは今のところどの作品で見てもローラダーンって感じだけどそれが味になってる。エマワトソンも同じ単調タイプかなと思うけど何故か落ち着かない。ハーマイオニー感が強いのでは?と思ってしまう。違う顔が見てみたい気もするけど、役者には顔を変えるタイプと味を貫くタイプとあっていいから私がとやかく言うことではないんだな…。

衣装が美しい。
自然の景色も素晴らしく広大さを時に感情の昂りと合わせたり物哀しさと合わせたり効果的に撮影されていて素敵でした。

女性=結婚が幸せじゃない のメッセージ性に関しては、そう言ったことはもうご自由に(結婚が幸せの女性もいるので)と思ってるので強く言われると私は少し引いてしまいました。
(いや、でも原作が書かれた時代を考えるとかなりセンセーショナルな考えで、そういう文脈を理解できなきゃいけなかったのかな…)

結論グレタガーウィグは合わないかもにやはり着地します。

せっかく素敵なLittle Womenがそのまま日本のタイトルにならないのが残念。
Ginny

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