kirito

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のkiritoのレビュー・感想・評価

4.1
【愛にできることはまだあるかい?】

正直、「レディバード」も嫌いだったし、シネフィルが好きな類の映画でしょ絶対苦手だわと思ってたのだけれども、めちゃくちゃよかった。
久しぶりに映像観てるだけで自然に涙が頬を伝うという体験した。

「結婚」だけが女性のゴールで幸せとされていた時代。
ある種お金の為に結婚し、子どもが生まれてもそれは夫の物とされ自由を見出せない。
そんな時代にあって、愛を貫きたい長女、小説家になりたい次女、体の弱い三女、そして家族の為にお金持ちと結婚を考える4女の物語。

最初、退屈だと感じた原因が「編集」の仕方にあって、それは時系列の往復という点。それぞれの人物像が把握できないうちは結構混乱をするのだが、これが人物像や世界観がつかめてくる中盤以降はぐっと物語に入り込めるようになる。時系列が交互なのに不自然なくらいに納得できる点にうなった。
また、過去と現在との対比のショットもさることながら、この映画の引きのショットが装飾や風景と相まってものすごく効果的でいわゆる「映える」映画でもある。

後半のシーンやストーリーはもうどれも素晴らしくて、書ききれない。
あるピアノを弾くシーンで自然に涙があふれ、予告にあった「結婚がすべてだとは思わない・・でもたまらなく寂しいの」という最高のシーンに関して言えば、予告だけでは感じ取れない何かがあって胸に迫るものがあった。

あと、ローリー(シャラメ君)の女を引き付ける感じ(魅力)がやばかった。

※あと「私達の少女時代は終わってしまうのね」というメグの結婚式前日のシーンのジョーの切なさ。
あと、ローレンスピューは声域が低め。

2020.6.12
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