むらむら

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
エイミー・パスカル、やれば出来る子!

 「スパイダーバース」や「ヴェノム」もそうだけど、ケヴィン・ファイギにサンドイッチ投げつけてたSonyPictures会長時代よりも、最近は続けてよい作品をプロデュースしてるよね。

物書きの才能を信じて自立する女性であるジョーと、絵画の才能を持ってしても旧来の価値観に囚われていくエイミーの対比が、過去と現在を巧みに行き来することで見事に描かれてる。

劇中、エミリーが「姉妹で成功するなんて無理」みたいなことを言うから「ブロンテ姉妹がいるじゃん」と脳内で突っ込んだら、劇中でも同じツッコミをされてた。ブロンテ姉妹作品は大傑作の「嵐が丘」しか読んだことないけど、三人とも夭逝(一番長生きのシャーロットでも38歳没)なんだよね。

IMDBによると、伯母とエミリーが結婚について語るシーンは伯母役のメリル・ストリープの発案で入れたシーンで、ジョーにローリーが草原で求婚するシーンは全部即興らしい。どちらも、必然的にそこにあったかのように素晴らしい。

それにしても、レディ・バードとハーマイオニーとパニック障害者とあと一人の四人姉妹って、アヴェンジャーズ感あって負ける気がしないよね。フローレンス・ピュー(エイミー役)は、「ミッドサマー」でのパニック障害者役を終えて数日後から、この作品の撮影に入ったと書いてあってビックリ。俺ならしばらくリハビリで寝込むわ。

他にも衣装の色使いや、フィルム撮影に拘ったことで出た優雅な画など、語りたいことはいっぱいあるけど、スクリーンで観る価値のある映画だと思います。

最後に一言。家庭教師のお兄さんが、最後まで貧乏キャラになってるけど、どんなに貧乏でも、ハーマイオニーが嫁なら、人生勝ち組だよね!
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