もう何度も映像化された古典をさらに映像化するとなると、ある程度新しさが必要なんだろうから、原作の知名度に頼りまくって冒険しすぎた構成はまあ致し方なし。若くイケメンで小綺麗（に見えるよう）なベア教授という解釈はちょっと受け入れ難かったけれど。
『若草物語』では、女の子たちが些細だと思われていた家庭のなかの重大な出来事をめぐる苦楽を通して精神的に自立した〈リトル・ウィメン〉になっていくところがキモだと思っているので、あくまでもノスタルジックに少女時代を回想するスタンスは少し物足りなかったし、これが「わたしの『若草物語』だ」とも思わないけれど、ジョーが女らしさと仕事と結婚、そこにつきまとう孤独との間にうじうじ涙を流すところは現代版にアップデートされただけあって見応えあったな、とも思う。
