たけひろ

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のたけひろのレビュー・感想・評価

4.0
瑞々しさと躍動感。

痛みを経ての、少女時代の終わり。

そして、未来。

脚本なのか、編集なのか、そもそもの原作がそうなのか、物語の構成が芸術的に素晴らしかった。

個人的には本作でのジョーが、最初から最後までの全てにおいて、シアーシャ・ローナン史上最も名演でした。

情熱的で、美しく、オスカーでの主演女優賞ノミネートも納得の輝き。

ティモシー・シャラメとのシーンでは、情熱と美しさと輝きが乱反射。

サングラスが必要になるレベルの眩しさ。

溜めて、溜めて、溜めてからの告白のシーン最高。

またベスのエピソードでは、いちいち涙腺が緩み、泣くのをずっと我慢していたもので、すっかり喉が痛くなりました。

ピアノとか、スリッパの刺繍とか、ピアノとか…

ローレンスさんに共感しちゃって、もう…

今日は「ミッドサマー」以来の、久し振りの映画館を味わったのだけれど、フローレンス・ピューが泣くのを我慢して口をへの字にしたり、火の近くにいたり、頭に花飾りをして野原にいると、不穏な空気が流れるの、なんでだろう。

あと、初めての長編小説が製本されるまでの過程をじっくり描いたシークエンス。

脚本家でもあるグレタ・ガーウィグの、こだわりのフェチズムを感じ、こちらまで興奮してしまった。

小説家であるジョーにとってはきっと、メグにとっての結婚や出産と同じくらいの、何ものにも代え難いであろう、人生で一番の喜びだよね。

まるで、この世に生まれたての我が子を抱いているかのような、愛おしさの込もったまなざしだった。

ラストのパラレルワールド的な攻めた脚色表現も大正解。

男である私も改めて、フェミニズムについて考えさせられる。

(古典文学が原作の多姉妹繋がりで、キーラ・ナイトレイ主演の「プライドと偏見」もまた観たくなった)

(エンドロールで名前を見つけたクリス・クーパー、全然気づかなかった!)
たけひろ

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