たーしー

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のたーしーのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

生き方や幸せについて考えさせられる作品。絵に描いた餅の様な、ロールモデルに沿った結婚観や職業観は果たして正解なのだろうか?もしかしたらそれは、『世間からみた失敗』をするリスクを減らせているのかもしれない。

特に19世紀後半のアメリカの女性の生き方としては、女性は裕福な男性と結婚をして、家族を作りいきるのが正解というのが常識だったのかもしれない(作品を見ての個人的な印象で、実態は分からない)。しかしながら、人生を生きていくのは、自分以外の誰でも無い。マーチ姉妹は、『自分の幸せ』を貫いて、人生を選択をし、それぞれが選んだ道を幸せにしていく。

まさに、僕の好きな女性経営者経沢香保子さんの言葉『人生は正解を選ぶのではなく、選んだ道を正解にしていく(うろ覚えの為、少し違っている可能性あり)』と通じると感じた。

今の世の中も、未だにロールモデルがあり、レールに乗っていけば成功だ、幸せだ。だから、レールに乗れ、しがみついていけという風潮がある。果たしてそれって、本当に幸せなんだっけ?と考えてしまう事があるし、『他人の人生を生きているのではないか?』と考えてしまう。他人は、自分が思っている以上に自分の事など気にしてはいない。だからこそ、自分のモノサシで、自分の幸せを考えて、選んだ道を正解にしていく。そういう生き方に尽きると思った。同時に、小さな喜びも幸せだと感じられる、心のゆとりも身につけていきたいなと思った。

作品としては、主演のシアーシャ・ローナン演じるジョーの秘めた恋心と『少女時代が終わってしまう』という言葉がエモくて心に響いた。少女から大人になっていく過程が淡い。素敵な作品だった。
たーしー

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