NEWおっさん

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

4.0
「女が生きる為に」

これまで幾度となく映画やドラマやアニメ化された名作小説「若草物語」を再び映画化。「レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンが再タッグを組む他、脇キャストもエマ・ワトソンやティモシー・シャラメなど超豪華。

自分は1980年のテレビアニメ版を再放送でうっすら見た記憶があるぐらいでもう全然覚えてないので若草物語はほぼ初体験だった。こんなストーリーとか知らなかったし新鮮に見れた。そして面白かった。

結構ドロドロした話だったんだな、というのが第一印象。お金がないことを前面に押し出してるし
次女ジョーと四女エイミーとの軋轢やローリーを巡る関係、あと驚いたのは死人が出ること。誰とはネタバレになるので言わないが。最後はハッピーエンドなんで良かったけど。結構なジェットコースタームービーで飽きなかった。最初と最後の編集部とのやり取りが似たようで違う、現実ともリンクさせている演出が上手い幕引きだった。

あとやっぱり画的に煌びやか。四姉妹のワチャワチャしてる描写がやっぱ良くて眼福。特に四女のエイミーが良かったわ。昔と今で雰囲気が全然違う。最初1人二役かと思ったくらい。また役柄も子供っぽさ全開と大人になってからの落ち着きのギャップが良かった。この人「ミッドサマー」の主役の人だったのね。逆に長女のエマ・ワトソンが埋もれた感じになっている。シャラメはお調子者たが久々に普通の役が見れたなって感じ。

過去と現在が交互に描写されるというタイプの映画だが、7年前と出るのは最初だけで過去か現在か分かるまで戸惑った。そんなに昔でもないから画的にそんな変わらないし。よく見ればオレンジ色に燻っている演出が過去描写てのが分かるのだが、まずそれに気付くまで時間かかるし普通に気付かない人もいるだろ。この分かり難さをなんとかして欲しかった。

まあでも傑作です。女性が生きにくい時代の青春映画として面白かった。