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ディリリとパリの時間旅行のkazu1961のレビュー・感想・評価

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)
3.7
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-209
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋何とも幻想的でかつ硬派なアニメーションです。ベルエポックのパリをそのまま感じることができる、ほんと写実的でパリ的な映像が強い印象を残します。物語も20世紀初頭のパリを舞台にした奇想天外な救出劇の体を取りながらも、人種問題やフェミニズムを正面から扱った作品でぐいぐい引き摺り込まれます。

🖋その街並みの映像は、描かれたイラストではなく、オスロ監督が4年もの長い時間をかけて撮り溜めた写真を使用し、加工したもので製作されています。エッフェル塔、凱旋門、サクレクール寺院などに加え、アルフォンソ・ミュシャの街頭ポスター、エクトル・ギマールによるメトロのエントランス、エミール・ガレの作品など、見ているだけで心が癒させるそんな映像の数々です。

🖋そして主人公ディリリが、友人オレルとともに誘拐事件の謎を解いていく過程で多くの有名人が出てくるのもとても面白いアイディアです。マティス、ピカソ、プルースト、アンドレ・ジッド、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、細菌学者パスツールや、オペラ座の人気歌手エマ・カルヴェ、大女優サラ・ベルナール、エドワード皇太子、科学者マリー・キューリー、ファッション・デザイナーポール・ポワレなど100名近くの有名人が登場するんですね!!まさしく風景を含めてベルエポックの旅の気分が味わえます。パリのカルチャー好きにはたまらない作品でしょうね!

🖋オスロ監督は一貫して性別や肌の色、年齢、宗教などで人を区別せず、様々な人種が登場する映画を作り続けてきた監督です。本作でもいかんなくそのメッセージは踏襲されています!!

😌Story:(参考: 公式サイト)
ベル・エポックの時代のパリ。 ディリリは、どうしても外国に行ってみたくて、ニューカレドニアから密かに船に乗りパリにやってきた。開催中の博覧会に出演し、偶然出会った配達人のオレルとパリで初めてのバカンスを楽しむ約束をする。その頃、街の人々の話題は少女の誘拐事件で持ちきりだった。男性支配団と名乗る謎の集団が犯人だという。ディリリはオレルが紹介してくれる、パリの有名人たちに出会い、男性支配団について次々に質問していく。
洗濯船でピカソに“悪魔の風車”に男性支配団のアジトがあると聞き、二人は向かうが、そこでオレルは狂犬病の犬に噛まれてしまう。三輪車に乗ってモンマルトルの丘から猛スピードで坂を下り、パスツール研究所で治療を受け、事なきを得る。オペラ座では稀代のオペラ歌手エマ・カルヴェに紹介され、彼女の失礼な運転手ルブフに出会う。ある日、男性支配団がロワイヤル通りの宝石店を襲う計画を知った二人は、待ち伏せし強盗を阻止する。その顛末は新聞に顔写真入りで大きく報じられ、一躍有名になったディリリは男性支配団の標的となり、ルブフの裏切りによって誘拐されてしまう。ディリリはオレルたち仲間の力を借りて男性支配団から逃げることができるのか? 誘拐された少女たちの運命は?

🔸Database🔸
・邦題 :『ディリリとパリの時間旅行』
・原題 :『Dilili a Paris』
・製作国 : フランス・ドイツ・ベルギー
・初公開 : 2018
・日本公開 : 2019/08/24
・上映時間 : 94分
・受賞 : ※※※
・監督 : ミッシェル・オスロ
・脚本 : ミッシェル・オスロ
・原作 : ※※※
・撮影 :
・音楽 : ガブリエル・ヤレド
・出演 : プリュネル・シャルル=アンブロン、エンゾ・ラツィト、ナタリー・デセイ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「キリクと魔女」「アズールとアスマール」などで知られるフランスアニメーション界の巨匠ミッシェル・オスロ監督が、19世紀末から20世紀初頭のベル・エポック期の美しいパリの街を舞台に描いた長編アニメーション。ニューカレドニアからやって来たディリリは、パリで出会った最初の友人オレルとともに、少女たちの誘拐事件の謎に挑む。キュリー夫人やパスツール、ピカソ、モネら時代を彩った天才たちに協力してもらいながら、エッフェル塔やオペラ座、バンドーム広場などパリの街中を駆け巡って事件解決を目指す2人だったが……。第44回セザール賞で最優秀アニメ作品賞を受賞。
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