メル

ディリリとパリの時間旅行のメルのレビュー・感想・評価

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)
4.0
パリが最も栄えたと言われるベル・エポックの時代にタイムスリップ!

案内人は両親のどちらかがフランス人というニューカレドニア出身のディリリとフランス人青年のオレル。

華やかで美しく見えるパリの裏側にも貧困はあり、ある男性優位集団による少女の誘拐も頻発していて、それを調べようとした途端にディリリも拐われて...。

19世紀末のパリに居た芸術家、文化人、学者、建築家まで総出で少女たちの誘拐事件に協力するという話。

ピカソ、マティス、ムーランルージュでスケッチするロートレック、彫刻家ロダン、カミーユ・クローデル、狂犬病ワクチンのパスツール、エッフェル塔のエッフェル、キュリー夫人、ドビュッシーが次々に出て来るだけでも興奮するのに、サティがレストランで「グノシエンヌ」を弾いてくれるなんて最高です。
野外で絵を描くモネとルノアールもチラッと出て来ます。
画家の集まる洗濯船の壁に掛かる北斎の波、しっかり見つけました。

ニューカレドニアでは肌の色が薄くて目立つし、パリでは肌の色が濃くて目立っちゃうと言うディリリの話すフランス語がとても礼儀正しく、ロウウエストのリボンが付いたドレスの裾を摘んで挨拶する姿が可愛い。

オペラ座、凱旋門、コンコルド広場など背景がリアルで写真のようだと思っていたのですが、監督の撮影した写真を部分的にコラージュしてるそうです。どうりでオペラ座の中の天井画、シャンデリア、床の光沢など精密で目を見張る映像でした。

ストーリー的にはちょっと物足り無い感はありますが、開発途中のツェッペリンの飛行船に乗ってエッフェル塔のレストランの客を眺めるシーンは感動でした。

コロナ禍でかれこれ半年外食をしていない。
シャンパンとまではいかないけどスパークリングワインでも開けて友人たちと楽しく会食をしたいものだとつくづくレストランに思いを馳せるエンディングでした。笑
メル

メル