エイデン

恐怖の報酬 オリジナル完全版のエイデンのレビュー・感想・評価

-
メキシコ、ベラクルス
突如として街の一角で爆破テロが発生
すぐに周囲に厳戒態勢が敷かれる一方、爆発の直前にバスでその場を後にしていた犯人たちは、アジトで逃走の準備を行っていた
しかし武装した警察部隊により襲撃を受け、2人が射殺、犯人の1人が逮捕されるが、たった1人カッセムだけは群衆に紛れて逃げ延びるのだった
フランス、パリ
エリート銀行員であるマンソンは、詐欺や賄賂で荒稼ぎを行っていたが、不正融資が頭取らにも割れてしまい、明日までに取引先である“プレビル社”から担保を確保するように命じられる
共謀していたプレビル社の御曹司に父親を説得するように言うものの、彼は父親から勘当されてしまい、そのまま失意のうちに自殺を遂げてしまう
頼みの綱が無くなったマンソンは、逮捕を免れるため妻を捨てて逃亡を図るのだった
アメリカ、ニュージャージー州エリザベス
教会を隠れ蓑にしたマフィアの賭場へ仲間たちと押し入ったスキャンロンは、まんまと金を奪い去ることに成功する
しかし車中で、抵抗を試みた神父の脚を撃った仲間を責めたことがきっかけで、車は逃走中に酷い事故を起こしてしまう
仲間たちは事故死し、唯一生き残ったスキャンロンは、傷だらけの身体でその場を後にする
更に悪いことに、仲間が撃った神父はマフィア幹部の弟だったと判明
命の危機を感じたスキャンロンは、国外へ逃亡する準備を進める
それからしばらくして、3人はそれぞれカッセム、セラノ、ドミンゲスと名前を変え南米にある独裁政権下の町ポルべニールへと流れ着いていた
しかし今度は低い賃金や劣悪な環境に苦しめられることとなる
そんなある日、町から300マイル離れた石油資源会社の採掘作業中に、反米ゲリラによる爆破テロが発生する
石油が燃え盛り、このままでは作業もままならないことから石油資源会社の社長は早急に消火を行うように命じる
そこで考えられたのは爆薬を使って炎を吹き飛ばすという方法だったが、そのために使える爆薬は古く手入れされていないニトログリセリンのみだった
少しの衝撃で大爆発を起こすニトログリセリンをポルべニールからトラック2台で運ぶという危険な仕事に、会社は多額の報酬を提示する
それに手を挙げ、運転のテストに勝ち残ったのは3人とマルケスという男だった
しかし出発直前にマルケスは謎の殺し屋ニーロに殺害されてしまう
仕方なくニーロを新たな運転手に加え、4人は危険な仕事に挑むこととなるが・・・



1953年の同名フランス映画のハリウッドリメイク作

ニトログリセリンの運搬という単純ながらスリリングなストーリーや極限状態の人間ドラマを描くオリジナル版をやや派手にしたような印象

オリジナル版に加えて道行く先のトラブルも増加しており、スリルをより追求したエンタメ寄りな仕上がりになってる
その辺りを許せるかがオリジナル版鑑賞した人のポイントになってくるかも

とはいえ、より鮮明にわかりやすく男達の血と汗と泥にまみれた物語が映えてるようにも思うし、橋のシーンなどインパクトあるシーンも多め
地獄から抜け出すために命を賭けるドラマ軸もブレてないし、ロイ・シャイダーはじめ新キャストも良い

名作のリメイクということでオリジナル版と比較されがちだったり、公開当時『スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望』と公開が重なって、『スター・ウォーズ』ブームの影に隠れてしまったりと不遇な作品ではあるけど、先の味付けを雑味と感じなければリメイクとしてクオリティは高いと思うので観ましょう
なお通常版はオリジナル完全版より30分程度上映時間が短い上、オチも違うので注意
公開時の本国版がオリジナル完全版となるので、個人的にはそちらのがオススメ
エイデン

エイデン