人生ドン詰まりな男達による、地獄のデスロードムービー！！
ハリウッド一のパワハラ映画監督として知られるW・フリードキンの手掛けた作品の中で一際常軌を逸していると話題の本作。一体どんな光景が広がっているのか、内心少しワクワクしながら蓋を開けてみたら、地獄なんて言葉が生易しく感じる程の惨状がそこにはあった…
道なき道を、というか「もうそこは道じゃねーよ！」とツッコミを入れたくなるような獣道を、オンボロトラック(ニトログリセリンを積んでいる)で走るシーンもそうなんだが、後半の特に嵐の中で今にも壊れて激流に流されそうな桟橋を渡るシーンはもう画面越しからでも伝わる程に生きた心地がせず、あまりの緊張感に思わず変な笑いが出てしまった程。恐らくコレらのシーンは実際に現地で俳優達が捨て身で挑まされていたのだろうから、全然笑えないんだがね…
今作の主演の1人であるのと同時に『ジョーズ』の主演でもあったロイ・シャイダーは生前、「フリードキン作品に比べるとジョーズの撮影は平和なハイキングコース」と称していたそうだが、その言葉の真意を嫌という程に理解してしまった1本。その証拠に終盤の彼の顔は恐らく、いや演技とか関係なく目に見えて憔悴しきっていた…大傑作です。
