セッセエリボー

北京の日曜日のセッセエリボーのレビュー・感想・評価

北京の日曜日(1956年製作の映画)
3.9
シネエッセイの最初の作品とのことだがこの時点で既にクリスマルケルが完成していて驚く。異国趣味には違いないが、そう思って見ているとこちらが予想しているよりも遠くまで気づいたら踏み込んでいる。その文化を外側から観察する立場の人間が異国情緒を侵略的ではないラディカルな自己の解体として活用するというのはヴィクトル・セガレンを読んでとりわけ衝撃を受けた部分でもあるがマルケルの場合は観察する主体が限りなく希薄化されて複数のイメージを繋ぐ媒体である以上の役割を失っているような印象を受けた(それがナレーションの強すぎる自己主張と微妙にちぐはぐするのでなかなか集中できない)。中国語監修(?)アニエス・ヴァルダにびっくりした。終わり方おもろ。