Jeffrey

北京の日曜日のJeffreyのレビュー・感想・評価

北京の日曜日(1956年製作の映画)
3.0
「北京の日曜日」

冒頭、1955年北京。色鮮やかな傘車のショットから始まる。水墨画の世界、民謡楽器、万里の頂上、人形劇、海底の街、毛沢東。今、漢民族が垣間見れる…^ - ^本作はクリス・マイケルによる短編映画で、1956年トゥール短編映画祭にてグランプリを受賞した作品である。この度、特典映像として収録されている本作を初めて見た。

本作は1955年にマイケルは哲学者のポール・リクールらとともに中国友好使節団旅行に参加し、その際に彼自身が撮影した映像をもとにある日曜日のスケッチとして革命からわずか6年後の北京の人々や風景を鮮やかに描いた初期短編映画として評価の高い2の作品である。この度DVDの特典映像に収録されていたこちらを初鑑賞したのだが、冒頭の映像から魅了されるほど綺麗である。これスタッフの一覧見ると協力者にアニエス・ヴァルダと名前がある。

冒頭からカラフルな中国を代表する動物のスケッチが写し出され、そこからカラフルな小道具がショットされる。そしてダンサーや影絵人形、アクロバットや交通整理をしている警察官、無邪気に騒ぐ子供たち、フランスから持ってきた絵本に興味津々の子供のクローズアップなどが写し出される。あの革命の後にたった6年しか経っていないのに、ここまで未来を信じきって活力に満ち溢れた開放感のある中国人を見ることがなんだか新鮮でもあり不気味でもある。

相変わらずお得意の映像モンタージュや記憶を記録するようなエッセイの語り口で撮られており、イーストマンカラーの美しい色彩が印象的に残る。かなり独創的な作風で嫌いではない。
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