河豚川ポンズ

スーパーティーチャー 熱血格闘の河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

3.7
学園ものドラマの総集編2時間スペシャルみたいな映画。
観てる最中に「あれ、これって元ネタが香港とかでドラマとかなんだっけ?」とか本気で思った。

舞台は香港、中高一貫の徳智学園ではここ数年大学への進学者を出すことが出来ず、成績不振から教育局の補助金を打ち切られる寸前だった。
そんな中、アメリカ帰りのチャン・ハップ(ドニー・イェン)という男が教師として突然赴任、問題児たちのいる6-Bの担任となる。
着任して当日にチャンは生徒たちからいたずらの洗礼を受けるが、持ち前の身体能力の高さで軽くいなし、彼なりの授業法で瞬く間に生徒たちの心をつかむ。
問題児たちのと真剣に向き合うチャンであったが、問題は生徒と学校の中だけではなかったのだ…


宇宙最強カンフーアクションスターのドニーさんがなんと熱血高校教師に!
たぶん拳と人情味あふれる説教と爽やかな笑顔で全部乗り切るんだろうなと思ったらやっぱり大体そんな感じ。
すさまじいまでの学級崩壊を起こしてるクラスに赴任してきて、サクッと生徒たちの心を掴んで、ヤバめなチンピラもボコボコにして解決する単純明快なストーリー。
生徒一人一人が抱えてる悩みも結構重いものだったりで、たぶん普通の学園もののドラマなら1人1エピソードぐらいかけて解決していくんだろうけど、ドニーさんの手にかかれば15分ぐらいで問題児5人まとめてスッキリ解決。
いくらなんでも展開が忙しすぎて、むしろ観てるこっちがそんな力技で納得していいのかと何だか心配になってくる。
そんな感じで進むので、ストーリーに関しては圧倒的なまでの既視感に溢れてて、学園もののテンプレが継ぎ接ぎになったような具合。
自分はドニーさんのカンフーアクションを観に来たのでそこは別に構いませんが…

その肝心のドニーさんのアクションは尺自体は短めなものの、学校やボクシングの試合の控室など様々な場所で、小道具をたっぷり使って戦うユニークなもの。
机やいすはもちろん、教室の壁に張ってあるケーブルやパイプ、バスケットボールなど、使えるものはとにかく何でも使ってやるという執念を感じる。
何というかジャッキー・チェンっぽくもあるけど、やはりドニーさんの方がスマートだと思う。
今回は製作に関わっているドニーさんも学園もののヒューマンドラマに重きを置きたかったのか、少し物足りない感じ。
一つ一つのメッセージは悪くないんだけど、やっぱりこれは12話ぐらいのドラマにしてやるべきだったんだろうなあ。
ドラマをやるにしてもアクションをやるにしても、とにかく100分くらいじゃ尺が足りてないよ!って感想になってしまった。