みーくる

37セカンズのみーくるのネタバレレビュー・内容・結末

37セカンズ(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ストーリー知らずに観て、最初はここでこんなに脱いで見せる必要あるの?!と思ったけど、性がテーマの話でびっくりした(それだけじゃないけど)

親の過保護過干渉という点だと、障害の有無にかかわらず多かれ少なかれわかる部分ある方も多いのでは(特に女性)
20代も前半ですもの、障害もってたってオシャレも恋も性的なことも楽しみたいのは当たり前 それを抜きにしてもふらっとカフェくらい行きたいよ……

ただ手足も不自由、声も小さいとなると保護者として行動を制限したくなるのは当然で お母さんは自分の手助けがないと生活できないということもあってユマを子供扱いにしてしまっているけど、まあ自然とそうなっちゃうだろうな
「私に障害がなければお母さんは違う感じだったのかもしれない」 お母さんもユマを育てるため、色々と犠牲にしてきたのでしょう (子を守ろうとして人が変わってしまう当事者の親御さん、実際多いのだろうな)
どんな人に対しても丁寧な言葉で接するユマの振る舞いから、お母さんが大切に育ててきたのだろうなってこともわかる

男性障害者の性欲解消については一部介助もあると聞きますし、"男性だもの、仕方ないことよね"って空気もありますが、女性障害者のそういう事情については考える人少ないのではないでしょうか
作中ユマの場合は恋愛を一旦諦めて性的サービスを利用する方向に切り替えようとしていましたが、そんな単純に解決できるものでもなかったり

偶然の出会い、隣人愛にも心を動かされる 他人だからこそできる事ってのもあるだろうけど
ひと括りにできないテーマで最後まで大変引き込まれ、いわゆる感動ポルノでは決してなく(もう私がこれをわざわざ言うのも古いことならいいのですが)、人生の壁をひとつ乗り越えた主人公を見届けられてよかったと思える、愛しく感じる映画でした
みーくる

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