どんなふうに関わればいいのか分からなくて避けてきたひとや物事がわたしには沢山ある。そして多くの人がそうなのだと思う。ただ話をすることがこんなに難しく思えるのは何故か。すぐそこに見えている誰かと分厚い壁で遮られているように感じるのは何故か。近すぎるのも遠すぎるのも怖かった。本作が伝えようとしていることは山のようにあるのかもしれない。期待と不安をぎゅうぎゅうに詰めたからだでわたしたちは歩き立ち止まり疲れて眠り目を覚まして、くりかえす。わたしにはユマと話し合えることが沢山あった。彼女におしえてあげられることも、彼女におそわってみたいことも沢山あった。これまで向き合いきれなかったいろんなひとのことを考えた。そのひとたちの目にわたしがどんなふうに映っていたのかを考えてみた。そして声をかけてみてよかったと、知り合えてよかったと、一度でも思ったすべてのひとのことを思い出した。
