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劇場版ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT (ファーストコンタクト)のtakのレビュー・感想・評価

3.2
うちの子供がリアルタイムで観ていたウルトラマンは「ウルトラマンコスモス」。勧善懲悪が主となりがちなウルトラマンシリーズの中でも異色作で、怪獣たちは常に悪とは限らず、同じ地球の生命体として守るエピソードも多々ある。主人公が所属するチーム・アイズ(テレビシリーズ)も怪獣の捕獲・保護を目的としており、平和的・人道的解決が最優先である。力だけが平和を守る手段ではないというポリシーが一貫している。ルナモード(青)のコスモスは慈悲の心を持つウルトラマン。コロナモード(赤)は力で対抗せねばならない相手のときに出てくる。アクションも、相手を傷つけることなく制することができる合気道の型が用いられていると聞く。

劇場版第1作は、テレビシリーズの前日談にあたるエピソード。少年時代のムサシ隊員がコスモスと初めて出会うエピソードとなっている。敵はおなじみバルタン星人で、地球への移住を要求してきて、最終的に全面対決となる。バルタンの子供たちは地球の子供たちと共に平和的解決を望むのだが、対立の火花を消すことはできるのか。

子守歌でバルタン星人を眠らせたり、舞の海がライデンの名前で登場したりと笑っちゃうところもある。されど、バルタン側の事情や内部対立の様子まで描かれており、単なる侵略者とされてないのが時代の変化だし、コスモスシリーズに貫かれるテーマがしっかりと残る良質のお子さまエンターテイメント。初代ウルトラマンの面々がチョイ役で出演していることと、少年ムサシの相棒となるロボット、クレバーゴンも見落とさないで欲しい。「ウルトラセブン」のクレイジーゴンを知る世代が見るとグッときますぞ。
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