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Making of Spinning BOX 34DAYS
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『Making of Spinning BOX 34DAYS』に投稿された感想・評価

Spinning BOXのメイキングと紹介されてはいるが、監督のクレジットには堀禎一の著名がしっかりと刻まれる。

事実冒頭の横浜BLITZから舞台の内部へ向かうまでの簡潔極まりない手捌きによる編集は、これが一般的に知られるようなメイキング映像などとは程遠い、紛れもない古典ハリウッド映画としての編集を実践する生粋の映画作品であることを予告する。

ダンス・芝居・歌なんでも有りのパフォーマンスの舞台稽古を捉える映像とアクロバティック且つスピーディーな編集の切り替わりはワイズマンの傑作『ボクシング・ジム』に匹敵し、さらにこの映画で実践される編集の離れ業はあらゆるドキュメンタリー映画を超越してくるような感動がある。

この映画を「ダンス」「芝居」「歌」「舞台本番」と分けてみると、それぞれの分野で行われるカット割/切り替わるタイミング/聴こえてくる音それぞれの質感が全て変容している設計をされていることにハッとする。

ひたすらな映像と音のアクション=運動神経で繋げられていくダンス。

一つのシーンを演じる芝居稽古の様子をカットごとに違う日にち/時間/公演当日を織り交ぜて編集し、時間の変容が明確化する。

歌の編集といえば、それまでの軽快な音の流れによる編集は断ち切られ、彼らが舞台公演で披露した歌が稽古の様子をエモーショナルに駆り立てるよう突然流れ始め、まるで稽古の光景が本番の舞台であるかのように半ば強引にこの映画での1番の盛り上がりを見せる。

メインであるはずの本番の舞台での様子がところどころでインサートされる程度に抑えられているのは、これがメイキング映像である前提として捉えられたからみたいな理由では当然ない。
突然インサートされる形である舞台そのものはこの映画の観客にとって宙吊りにされた空間として突如そこに在るものとして出現する。

公演本番を迎えてようやく、稽古場の狭い室内で展開されていた編集は横浜BLITZの空間を内と外からのカメラで提示されていく編集と切り替わり、宙吊り状態であった舞台の全貌が観客に届けられていく。

その時、ようやく横浜BLITZというハコの規模があの狭い稽古場といとも簡単に編集で接続されたことに驚かされ、あの稽古で繰り返していたルーティン(日常)が突如フィクショナルな舞台へ、観客の目を通して転じることに衝撃を受ける。

終盤で律儀なまでに空間が見せられたからこそ、ルーティンがフィクションへと向かうまでの道筋は、それまでのルーティン自体がフィクショナルな偶然と想像を共有する場であったことを知らしめる。

エンドクレジットが流れ始める舞台袖から見た舞台上のライブ終わりの光景でジョン・フォード『捜索者』を思い起こすのは、何も構図が似てるとかっていうことではなく、このあと彼らが「帰る」稽古場という「場」が実はフィクショナルで、もうすぐ消えてしまう、しかし確かに存在した空間を想像させてくれるからだ。
obat

obatの感想・評価

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堀禎一特集
斜めに上げた手を動かしちゃダメだって!
マルコに酷似していてエンドロールまでソワソワした。
木

木の感想・評価

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これこそ愛