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ブレス あの波の向こうへのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ブレス あの波の向こうへ(2017年製作の映画)
3.7
恐怖心にどう向き合うか

他人に証明する必要なんてない、自分と海が知っている。証明でなく感じること。写真なんてないほうがいい…。彼のファンとかではないが、今回の彼は特に格好良いサイモン・ベイカー監督出演作。作品を包む空気・語り口としては、影があるようにどこか儚く寂しげながらイノセントな昔かつての思い出はノスタルジックに。
伝説のサーファー系隠居サンドーと出会ってから、親友からライバルのようになっていくサーファー少年2人のフレッシュな魅力。暴力的な父など家庭環境のバックグラウンドもあって分かりやすく生意気な友人キャラのルーニー、危険分子にもなり得そうなワガママで完全にイカれている。一方で師弟関係を築いていくように、ちゃんと描き分けされていて対照的だ。家族、学校生活そしてエリザベス・デビッキ演じる大人の女性に恋するひと夏の淡い恋心。
物語上実質の主人公で視点人物となる少年パイクウッドの感じる胸の高鳴りや恐怖、キャラクターたちの感情の流れがスムーズでリアルだった。やろうと決めたときに挑戦は半分成功している。
スリルは楽しい、けどそれだけじゃない。失う可能性、命の危険と隣合わせの場所で己を試す。自分で選択すること、乗る波も。乗る乗らないも。そして、他の誰でもない己で勝ち取ってきた今がある青春の成長物語。すべてを呑みこむ海。好きになれない、あの波は醜い。僕は平凡でも臆病でもない。自分で手に入れた、なくすなよ。本国オーストラリアで大ヒットしたらしい本作。フリートウッド・マックThe Chain流れる映画はいい説。

オールド・スモーキー
イーヴァの相手もしてくれた
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