Nekubo

A-X-L アクセルのNekuboのネタバレレビュー・内容・結末

A-X-L アクセル(2017年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

タイトルにもなっている"A-X-L=アクセル"とは、戦地での活躍を期待されて開発された軍用の犬型A.I.ロボットである。このアクセルが軍の研究施設から脱走し、一人の青年(主人公)と出逢う。この映画はアクセルと主人公の、出逢いと別れを描いた物語である。…が、これがとんだ凡作だった。

そもそもこのアクセルというロボット犬だが、戦地での開発を期待された軍用ロボットのくせに弱すぎるのだ。物語の中で主人公を目の敵にする不良男児が登場し、アクセルが彼を追い払うという一幕がある。そこは良い。だが、その後に不良男児が火炎放射器を持ってアクセルに仕返しをしにやってくる。するとどうだ。最も簡単にやられてしまうのだ。…"軍用"とは如何に?

またクライマックスでは、アクセルを追跡しにきたヘリとの一騎討ちとなるのだが、そこでもアクセルはとにかく走って逃げ回るだけ。終いには大して気の利いてない決め台詞(アクセルが主人公と関わる中で唯一インプットされた言葉)をドヤ顔で放ったと思いきや、自爆して映画は終わる。

この映画のスタッフとしてはここで観客の涙の一つでも誘いたかったのだろうが、観てるこっちとしては腰透かしもいいところ。

このアクセルの軍用とは思えない"紙装甲っぷり"や、映画の冒頭でアクセルの商品プレゼンが流されるのだが、そこで紹介されるアクセル用の武装だったりも一切登場せず。そもそも大したアクションの見せ場もない。確かにこの物語が描いているのは"ロボット犬と青年の友情"であって、アクションではないのかもしれないが、この題材、この設定、このデザインで視覚へのスパイスとして必要不可欠なアクションがショボすぎるのはどうなのだろう?

これがまたメインである友情ドラマの部分が良く出来ていれば話は変わってくるのだろうが、そもそも物語の鍵であるアクセルという存在の設定自体がガバガバなのだから、ドラマの部分だってガバガバだ。

そしてこの映画のガバガバを体現しているのがトーマス・ジェーンという男である。彼だけがこの映画における唯一の面白味であろう。この映画の中で彼は主人公の父親を演じているのだが、たまーに顔を出してはちょっと何か言ってくだけ…という超省エネ演技&役回りなのだ。

この男、絶対に小銭を稼ぎに出演しただけである。
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