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マイ・ブックショップのkojikojiのレビュー・感想・評価

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)
3.9
2017年 イギリス🇬🇧/スペイン🇪🇸/ドイツ🇩🇪
ブッカー賞受賞作家ペネロピ・フィッツジェラルドの『ブックショップ』を「しあわせへのまわり道」「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が映画化。

権力者、政治家、それを取り巻く連中、彼らに動されてしまう社会。怒りをどこにぶつけていいかわからない。折しも地方議員の選挙期間中で「頑張ります」がうるさいぐらいに連呼されている。何を頑張るのか知らないが、何もしなくていいから、欲に駆られて、ささやかに生きている人の幸せだけは邪魔しないでほしい。

「フローレンスのことはほっといてほしい。彼女は本屋がしたいだけなんだから」と言いたくなる。😅


🎦ストーリー
戦後、イギリスのある海岸沿いの小さな町に1軒の書店が開店した。開いたのは戦争で夫を亡くした女性フローレンス(エミリー・モーティマー)。この町には書店が1軒もなかった。しかも保守的で、女性の開業に対する地元住民たちの反応は冷淡だった。

ところが町の有力者ガマート夫人(パトリシア・クラークソン)が、その家を芸術センターにしたいという希望を持っていて、あらゆる手段を使って、彼女を立ち退かせようとする。
彼女の理解者は書店を手伝う少女クリスティーンと引きこもりの老紳士エドマンド(ビル・ナイ)だけだった。

📝メモ
ビル・ナイが「生きる」そのまま(?)の出立で登場。フローレンスの本屋経営を支える重要な役所だ。
ラストの事件以外で少し気分を良くしてくれるのは彼がガマート夫人に浴びせた一言。ここだけは溜飲が下がる思いがする。

それにしてもガマート夫人役のパトリシア・クラークソン。女性らしい手に負えない悪党を見事に演じてる。「憎たらしい」を超える憎たらしさ、この演技は必見かもしれない。

私は、イギリス映画の良さはドラマ性にあると思っている。この映画も小説を読んでいるような味わいのある映画で、ドラマが楽しめる良作だ。
最後に、少女が彼女の思いを引き継いだことで救われた気持ちになる。

2023.04.22視聴175
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