アキラナウェイ

マイ・ブックショップのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)
3.6
本が大好きな主人公が書店を始めたら様々な嫌がらせに遭うお話。

いやいや。
好きにさせてあげなさいよ。

1959年、イギリスのある海岸沿いの小さな町で、フローレンス(エミリー・モーティマー)という女性が1軒の書店を開店させる。しかし、彼女をよく思わない地元の有力者夫人ガマートが彼女の書店を潰そうと画策し始めて—— 。

雰囲気の良い海辺の町。
ロケは、北アイルランドの町ポータフェリーにて行われたのだそう。

夢を見て、夢を叶えて、奪われる。

何せ善良な主人公が嫌な目にばかり遭わされるので、ちょっとストレス。

噂好きな住人達に心底辟易する。上品そうな顔の裏に隠された、醜い私利私欲の獣の素顔。

本が好きなフローレンスのささやかな夢なんだから。他人がとやかく言うんじゃなくて、そっとしてあげたらいいじゃない。

40年以上も自宅に引き篭もり、ただ本を読むだけの日々を過ごす老紳士エドマンド(ビル・ナイ)と出会いが、唯一のフローレンスの心の支え。

彼らの心の交流の清らかさと暖かさが、胸にじわっと沁みてくる。

灯油ストーブの伏線には気が付いていたので、終盤の展開は予想通り。個人的にエミリー・モーティマーも主演を張るというより名バイ・プレイヤーだとも思う。

それでも、やっぱりビル・ナイが出ているだけで、作品の格がグッと上がる。