北斗星

マイ・ブックショップの北斗星のレビュー・感想・評価

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)
4.2

ジャケ写がすごく素敵ですね。フローレンスのファッションと佇まい、背景も何気に完璧。グリーンとオレンジが印象的。
公開当時から気になってた作品。やっと観れました。



本好きな人って案外少ない。確かクラスで一割程度らしい。
私も若い頃はクリスティンと一緒で読書は苦手だけど本屋さんや図書館にいると落ち着くタイプだった。
読書が身についたのはずっと大人になってから。今考えると、読書好きな家人に影響を受けてたんだなぁ。

クリスティンも大人になってからは読書するようになったのかな?




書店を開く決意をする主人公フローレンスとそれを応援する誇り高いビル・ナイ。
彼は変わり者と呼ばれていて殆ど外出せず読書をこよなく愛する。


二人の間に芽生えた、友情、同士愛、思慕。実らないだけにそんな感情が切ない。あの、5分だけの大人のラブシーンが何とも言えず素晴らしかった!


当時の女性の開業は男性だけでなく、女性からも疎まれ排除され理解が得られず、様々な妨害に合う。


こじんまりとした素敵な書店。思わず立ち寄ってみたくなる。
ふらりと入れる街の本屋さんも本当に少なくなった。色んな本が並べてあるのを手に取ってペラペラめくりながら何冊か買うのが楽しかった。装丁が気に入って買ったこともある。ハードカバーで読んだ本を身軽な文庫で読み直したり。
電子書籍も買うけれど、まあ紙の本が好きなんですね。目も疲れない。レトロだなー。
だけど、少し先を進むと紙媒体そのものが無くなり全てデータになるのかも知れない。電子書籍ならば“本”である必要性がもはや失くなっているわけで…。



イギリスの田舎町の風景がとても美しい。鈍色の空さえも。
クリスティンの髪型や着ている服が可愛かった。ティーカップやそのカバー、ブックショップの内装。どれも懐かしい感じがした。



ナボコフの“とある本”は映画でしか観たことがないけれど、ちゃんと読むとブランディッシュが云うように良書なのかな?
 


町の権力者、ガマート婦人(パトリシア・クラークソン)らが本当に嫌な人間に見えた。
ミロという男も最初から軽かった。フローレンスもお人好しだ。ミロを雇って大丈夫か?と観ながら思っていたが…。



クリスティンが最後にとった行動で、この作品がガラリと変化する。ともすると甘くになり過ぎるストーリーをキュッと引き締めた。誰の心にもある感情をクリスティンが子供だからこそ大胆に実行できてしまったんだろう…。



フローレンス役のエミリー・モーティマーという女優さん、本当におキレイでかつ笑顔がキュート。ご本人も読書家で、お父さんも作家とのこと。ビル・ナイ、クラークソンも読書好きらしい。
「華氏451度」、本の存在は知らなかったが、読書を禁じ近未来の監視社会を描いてるとのこと。そう聞いて、ナンダカこれはまるで現代じゃないか…。いつか書籍を読んでみたい。映画にもなっているようだ。
本や映画は色々と繋がってゆくのがまた楽しい。



「死ぬまでにしたい10のこと」、「幸せのまわり道」の監督さんだったのか!どちらも良かったです✰
北斗星

北斗星