アリスinムビチケ図鑑

マイ・ブックショップのアリスinムビチケ図鑑のレビュー・感想・評価

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)
4.0
本に纏わるお話しや、作家さんの物語が大好きなので、結構前になるけど…映画館で観て来ました♪😊

たまに行く大好きなシアターで、
チーズティーなるほんのりとクリームチーズの風味のするアイスティーを飲みながらの至福の映画鑑賞☕️🍀



ある小さな町にオールドハウスと言う古びた一軒の趣きのある家が有りました。

戦争で夫を亡くしたフローレンス・グリーンは、
昔からの夢を叶える為、そのオールドハウスを購入し、
ボーイスカウトの少年たちに手伝って貰いながらボロボロだったハウスを整え、
棚を入れて本屋さんを開く準備を進めます。

そんなある日、町の有力者ガマート夫妻の開く晩餐会に招待されたフローレンスは、
新調した燻んだ赤のワンピースに袖を通し、
慣れないパーティーの席で夫妻に挨拶を試みます。

夫人は以前から、「オールドハウスを町の芸術センターとして、本屋とは別の用途で利用するつもりだった」とフローレンスに言い放ちます。

夫妻からの心無い物言いを物ともせず、
フローレンスは"書店に置くのに相応しい本を"と、一冊一冊吟味しながら仕入れ本棚に並べて行きます。

実はこの町には長い間本屋と言うものが一店舗も無かったのです。

着々と形が整うフローレンスの書店を、人々は好奇の目でみたり、中には良く思わない者もいました。

本屋で一緒に働く人を探していると、
小学生でおしゃまな女の子"クリスティーン"が名乗り出ます。

そして迎えた夢の書店オープンの日。

最初のお客様は、かつての町の著名人で町外れの屋敷に住む老紳士"ブランディッシュ"(ビル・ナイ)からの書面での注文でした。

推薦本を送って欲しいと言うリクエストに『華氏451』(レイ・ブラッドベリ)をフローレンスは送るのでした…。


ただでさえ棚に並ぶ色とりどりの背表紙の本達にワクワクするのに、
私の大好きな作家さん"レイ・ブラッドベリ"の本が登場し(華氏451、火星年代記、たんぽぽのお酒)、
高まる気持ちが抑えきれなくなり、画面に食いついて観ていました(笑)。

他にも爆発的なヒット作だったらしい"ロリータ"とか"ジャマイカの烈風"が登場していました。
(ロリータは映画にもなっているので、ご存知の方も多いのでは?)

大きな夢を成し遂げるフローレンスの強い意志と行動力。

それに対比する様な、
小さな町や村などの狭い世界にありがちな、やっかみや、誹謗中傷、
自分の意思を持たず、有権者など声に力を持つ者に従う人々。

ストーリーの流れとしては現実をまざまざと見せられる形となりますが、
不当に権利を振りかざす者や、意思を持たない悪意ある人々の声に惑わされる事無く、
自分の夢に向かって突き進むフローレンスの姿と勇気に励まされます。

そしてブランディッシュ氏の正しい心と、
クリスティーンのフローレンスを慕う気持ちにも心を掴まれます。

浜辺で海を観ながら自分の夢を叶えた喜びを噛み締めるフローレンスの姿や、
古いけど趣きのあるたたずまいのオールドハウスや、
彩りのある棚に並ぶ本達、
そこに絵の様に自然に溶け込むフローレンスとクリスティーンの姿、
数々の美しいビジュアルに魅せられます。


ネットで読む書籍とは違う紙製の本の魅力とリスペクト、
本への愛がギッシリ詰まった素敵な映画でした。