シビアなストーリーで映像などもそれなりだし、低予算というわけでもないのだが、なぜかB級感がにじみ出てしまっている作品。
原因は脚本の悪さだろう。
主人公ラウラが強運すぎてほとんどご都合主義。
そこまで幸運は続かないだろうというストーリーなので、リアリティがなく夢物語に見えてしまう。
それにいつ殺されてもおかしくないほどの危険地域に妹を助けに行く動機が曖昧。普通の姉妹とは違う強い妹との絆が描かれていないので、家族愛という一言で片づけてしまっていることが不自然だ。
妹の手帳を本として出版したというオチなのだが、その内容については全くスルーってのは物足りない。
見所は捕まった時などの緊張感が上手く描けていた所か。
真面目に作られているのは分かるが、根本のストーリーが甘かったという作品。
余談。
妹との別れのシーンがハイライトで「泣け」とばかりに盛り上げているが、これもメロドラマ的でチープさが増す原因の一つ。
怪我人を置いていけないとヘリに乗ろうとしない妹。
どんなことをしてでも妹を助けたい姉は意を決して怪我人に向け発砲。
信じられない展開に放心状態になっている妹を無理やりヘリに乗せる。
ヘリは上空へ揚がり脱出をしたが、我に返った妹がゆっくりと姉に銃口を向ける。
とか、バッドエンドのほうが心に残ったかな。