【ムンバイにいない神さま】
2008年のムンバイ同時多発テロ事件を描く新作、という興味から、予備知識なくレンタル。後から知ったが昨年“ワールド・エクストリーム・シネマ2018”で公開したものなのね。
製作国はオーストラリア/ネパールとなっており、ザックリした仕上がりから前者は納得だが、後者って謎…。
…こんな映画に出資する…またはできるって珍しいと思うけど。何が狙いだろう。カトマンズでロケしたらしいが、ホーリー祭の辺りかな?
内容的には、ハリウッド製品と違う生々しさはあって、先が読めないどん詰まり感は題材に合っていた。でも、安っぽさが時に際立つ歪な仕上がり。展開は途中でわかるから“速め”で見ました。これで二時間超すのは作り手が怠慢だよ。
超直球の主張は気に入ったし、その、子供を使ったラストの映像演出も驚いた…最近、こんな素朴な見せ方は忘れていたので。
作中、名指しはされないが、イスラム教に子どもたちが殺されるなら、イスラム教が殺された方がマシだ、ということで、その通りだと思う。
でも、映画としてそう断言したのはエライけど、イスラムをヒンドゥーやキリストに差替えても同じこと。ずっと前からわかっていることだ。
これは結論でなく始まりで、んじゃどうしたらいいの?を作者が考えているようには見えない。信仰を殺した方がいいのなら、そのプランをきちんと提示してくれ。
鍵となるインド少女が直球プリチー。今はすきっ歯だけど、美人になるだろうなあ…とわかり易く未来を想わせるので、このキャスティングでよかったと思う。
タージマハル・ホテルの状況をより知れたことはよかったし、昨年見た仏製『パレス・ダウン』より力入っており、見た甲斐はありました。
原題は、DVD用に『House of War』に変えたらしいが、オリジナルの『One Less God』の方が、主張そのものだしわかり易いと思う。
で、(当時)昨年トロント映画祭で上映された新作『Hotel Mumbai』は日本で公開するかなあ?完成度はいちばん高そうな気がするんだけど。
<2019.2.8記>