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ジェノサイド・ホテルのAMYのレビュー・感想・評価

ジェノサイド・ホテル(2017年製作の映画)
2.5
2008年11月に起きたムンバイ同時多発テロを題材にした作品

同じ事件を扱った映画”Hotel Mumbai”を前に見たけど、全然違う描写だった

こっちは全く希望がない

ジャーナリストのClaireが同僚に電話したらその内部の情報を勝手に報道されて身の危険に晒されたり、
Claireにも妹Edaにも何度も言われてるのに忠告を無視してみんなを危険な目に合わせる兄Selimがいたり、
まだ安全の確保ができていないのに、みんなでぬか喜びして、結果…になったり
おじいちゃんに絶対出て来ちゃいけない、隠れなさいと言われた孫が、言うこと聞かずに出て来て…になったり

ツッコミどころ満載で、何で?と思うことが多かったけど
そう思えるのは自分が客観的立場で冷静に状況を見れる一視聴者だからであって、当事者だったら、パニックで同じようなこと、むしろもっととんでもないことをしてしまうんじゃないかと思った

そういう意味では、希望が全くない描写だけど、現実、実際はそうだったのかもしれないと思った

“Hotel Mumbai”の時の犯人の描写は、内部で揉める様子こそあれど、彼らの中にある信念と揺るがないその目的のためにやっているのだなといった感じだったけど

今回は命じられるがままといった感じで、終盤に至っては、闇雲に殺して意味があるのだろうかという迷いさえ垣間見えた

途中、アメリカがどんな国かを表すアニメに見入る犯人一味のYaaseen が映し出されたり、見たこともない何台もの大きなTVにはしゃぐシーンがあったりしたけど
その様子を見ると、自分が見聞きして、信じたものが本当に正しいんだろうか、それ以外の世界があるんじゃないのだろうかと気がついたようにも見えた


最後のSeanのセリフやまとめ方が個人的には納得できなかった
あれじゃあまるで、宗教=悪といういわゆるhateを煽りかねないと思った

どんな宗教でも、それを正しく教え示すもの、解釈しているものと、そうではないものとがある
そうではないものの中には、解釈を押し曲げて、悪に利用するもの、人がいるということを正しく伝えるべきじゃないかなと思った
AMY

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