みむさん

ジェノサイド・ホテルのみむさんのレビュー・感想・評価

ジェノサイド・ホテル(2017年製作の映画)
3.3
「パレスダウン」「ホテル・ムンバイ」と同じムンバイ同時多発テロ事件のタージ・マハルホテルを舞台にした惨劇を描いたもの。
視点が全然違う3作が3年間にリリースされていて興味深い。

ホテルマンが主人公、1人の宿泊客が主人公の他の2作に比べて、この映画は(結果として絞られた感じはするが)メインキャラクターを絞らず、宿泊客側だけではなくテロを起こす犯人側もけっこう描かれていた。
どれも一長一短、脚色があるみたいだが見ごたえあり。

被害にあった宿泊客も国籍宗教多様で、客同士も不安で疑心暗鬼、トルコ人観光客はイスラム教徒の暴走に愕然としたり。おそらく脚色とは思われるが、その部分が恐怖の密室内の緊張感だけではないドラマや駆け引き奮闘を引き起こしたり、感情的な部分が増していた。その分スローには感じる。

とにかく3つに共通するのは全く違う価値観宗教観で命を惜しまないぐらい暴走されると、どうにもならない怖さ。
根本的な問題が解決せず宗教紛争があるかぎりまたどこかで起こるだろうと思うと恐ろしい。

脚色したからといってもバッドエンドは避けられないのがなかなかだった。


英題は「One Less God(オリジナルタイトル、US 劇場タイトル)」「House of War(US DVDタイトル)」「The Mumbai Siege(UKタイトル)」と3種類あるようだ。日本リリース版ではUS DVDタイトルのHouse of Warが表示された。