荒野の狼

エリザベス∞エクスペリメントの荒野の狼のレビュー・感想・評価

4.5
人のコピー(クローン)は、既に可能な段階になっている。目の前にあるのは「やるかやらぬか」の「人道(人間)的」問題だけである。さてここで、劇中のセリフにある「拷問とは するかされるかの2択だ 他の選択肢はない、なら拷問者になるべきでは?」との問いにどう答えるか?じっくりこの作品を見て真剣に考えて頂きたい。
もしかしたらこのクローン人間の問題によって、戦争や疫病などではなく、人類に終止符を打つ事態が到来するかもしれない。と言うよりむしろ、そうなると確信させられる、ミステリーやホラーの範疇を超えた、恐ろしい作品である。キアラン・ハインズの様な人間などいない、と思っている貴方は、単なるお人好しであろう。
映画という、いわば表面的には美女を使った娯楽作品を作りながら、そこに問題意識をきちんと折り込む、作り手の知的レベルの高さも評価したい。
荒野の狼

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