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ネクスト ロボのLCのレビュー・感想・評価

ネクスト ロボ(2018年製作の映画)
3.3
面白かった。

ロンのような、日常生活に溶け込むロボットや、ガンなダムやターミなネーターや、兎に角色々なロボットを連想させる作品だった。
人間模様もしっかり描かれている。

主人公と主に交流するロボットさんは、様々な機能もさることながら、「自分で考える」ところが特に興味深かった。主人公に寄り添おうとしたり、諭そうとしたり、結構情緒豊か。
その他のロボットたちは大半が持ち主の命令に疑問なく従うので、設計者の思想の違いがハッキリと現れていたということなんだろう。

人々が常に携帯するフレンドリーな存在が、ある日突然、密かに仕込まれていた機能を発動させる様子は、確かにゾッとする。
でも、これは私個人の好みの問題なのだけれど、パーツが増えたり変形したり宇宙まで飛んだりしながらビームをシューンしたりドカーンしたりっていうのは、ちょっと引いちゃうところではあった。
それこそが痺れるかっこいいところじゃないか!という人もたくさんいるだろう。きっと楽しめると思う。ロボット周りの描写はどれもとても拘っていたように感じる。

寂しさを埋めることに必死だった母親も、誰にも寄り添ってもらえない孤独を、目につくロボットの破壊によって消化していた主人公も、主人公がどれほど傷付いていたのかを想像もしなかった彼女も、みんながきちんと言葉で気持ちを伝えていたところが好き。
きっとこれから先、主人公とロボットの中に保存される思い出には、他者の笑顔も登場するようになっていくんだろうな。
辛い思い出はたくさんあるけれど、新しい思い出もたくさん作ってほしい。そんなロボットさんの言葉がじんわり胸中に広がる物語だった。
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