このレビューはネタバレを含みます
監督で娘の直子さんが重い病気を患い闘病中に、まだ発症してない頃のお母さんがとても気丈に前向きに励まし、直子さんの手術が成功して泣いているシーン、その後お母さんが歳を重ね認知症を発症し徐々に別人の様に頼りなくネガティブな感情を見せる様になるシーン、この変化が切ない。
終盤でお母さんとお父さんが口論になり、お母さんが泣きながら「そんなに怒らないで!」「映さんといて!」と、誰にも分かってもらえない自分の気持ち、持って行き場のない辛さ、黙ってカメラを回している娘に初めて映すなと怒鳴るシーンの切なさ。この時のそれぞれの気持ちを考えると辛かった。
でも、この3人家族は仲睦まじく明るく愛情深い。本来は多趣味で社交的で書道の才能があるお母さん。懐がとても深く90半ばで勤勉で元気で娘に負担をかけまいと頑張るお父さん。そして娘の直子さんの覚悟。
最後はお父さんが作ったうどんをお母さんが「おいしいね」と言いながら二人で食べる、ほんわかした日常で映画は終わる。ひとまず安心。
気になったのはもっと早い段階で全自動洗濯機とお父さんに補聴器を買ってあげないのはなぜ?すすぎと脱水を3時間かけてする意味が分からない。
後、このドキュメンタリーの内容と少しズレるけど、個人的に生き続けたいと願う思いも、病気も含め自分なりにもう充分やり切ったし心も身体も持たないと思える所で安楽死を願う思いも、両方尊重したい。