minami

Girl/ガールのminamiのレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
3.0
主人公が本当に「ララ」として存在しているようにしか見えず、観終わってからノンフィクションかどうかを調べたけれど、たしかに実在するダンサー(ノラ・モンセクール)をモデルにはしているらしいけど、フィクションだし、しかも主人公を演じたのはシス男性だそうだ。
(本国ではそれに対して批判も起こったとか)

性的違和感の覚え方は人それぞれ違うから正解ってものもなく、本当に映画の中で表現するのは難しいと思うのだけど、この作品はララの人となりのいいところも悪いところもきちんと描かれていることで、彼女の身体的性に対する過剰な嫌悪感も納得しながら観ることができた。

せっかちすぎない…?とは思ったけど、バレエの成長度合いや本来の性格みたいなものが相まってあのような行為に至ったのかな、と受け入れることができる。
私なら絶対にあの選択肢は選ばないけども。

鑑賞時はちょうど夏が終わったばかりで肌寒く、椅子の上で膝を抱きながら観ていたのだけど、私はどう考えてもシス女性でしかなくて、もしこの膝に当たる胸のふくらみがなかったら、そして股間に存在しえないものが存在したら…と思ったらララの気持ちにぎゅっとなる。

身体と心の性が違うこと、決して「間違い」だなんて思わないけれど、もし私がそうなら自分の身体を間違って生まれてきたと思ってしまいそうだな、と思ったらこの身体が贅沢すぎるし、「間違いだなんて思わない」なんていう気持ちも結局他人事だから思うだけなのかな、とか、いろいろ考えさせられた。
(そして答えは出ない)
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