このレビューはネタバレを含みます
思春期の年代のGIDテーマの作品は初めてで考察が深まった。
全編に漂う、張りつめた糸のような緊張感は、主人公の揺れ動く、言葉にならない、満たされない心情を推量させる。
現代の人間は、太古より“中性化”がすすんでいる…という。
また、自身の性自認に関わる脳の部位や
好きだと感じる性別に関わる神経細胞は
テストステロンによって変化すると
わかってきている…という。
現代の人間に添った捉え方として、性にはグラデーションがあると受け入れる必要を感じる。
“性スペクトラム”という概念が拡がり、“多様性”が自然な世界になることを願わずにはいられない。