性自認が女の子のララはホルモン剤で二次性徴を抑えながら、2年後に控えた手術を心待ちにしている。そんな彼女は国内有数のバレエスクールに通う。
観ていて辛い作品だったと、観終わって1日経っても思う。
優しくて理解のある父に、根気強く支えてくれる先生がいるのは分かっているけれど、どんなに優しい言葉をかけられても、どうしても早く女の子になりたかった。そんな主人公のララのいつ切れてもおかしくない糸みたいなのが心がヒリヒリするくらい感じられた。
女の子が好きか男の子が好きかわからないけど、みんなと同じように恋もしたいし、周りの生徒と一緒に怪我寝なくシャワーも浴びたい。
彼女の思いを繊細に、そして嘘偽りなく描いていたこの作品は、心のなかを覗いているみたいだった。
LGBTQ+を扱う作品を多く見られるようになってきた今日この頃、これはどう頑張ってもサクセスストーリーではなかったし、ハッピーエンドでもなかったし、当事者の気持ちを一括りにしてしまうような風潮に問いかけていたようにも思えた。
何度も映画館の席を立ちたくなったけど、最後まで観てよかった。