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ターキー・パニックのcatmanのレビュー・感想・評価

ターキー・パニック(2018年製作の映画)
4.0
『マッシブタレント』で見事なまでに無駄遣いされていたアイク・バリンホルツとティファニー・ハディッシュが夫婦役で共演するコメディタッチのサスペンス。投げやりな邦題とジャケは意味不明で前知識はゼロ、ただただ笑う気満々で意気込んで観たところ、良い意味で期待を裏切られた。何だこれ凄い。

ブラックな笑いをベースにしながらSci-Fi風味を加えつつサスペンスフルで不穏なムードが充満するテイストはジョーダン・ピールに近い感じか。ドナルド・トランプと彼を支持する自称愛国者達への批判というポリティカルなテーマを扱いながら、余裕で日本に置き換えが可能な非常に現代的で身近な問題なのでグイグイ引き込まれる。リベラル派の主人公が徐々に偏向して独善的な考えに凝り固まる様子は他人事とは思えず、思わず苦笑い。登場人物のキャラクター設計がよく出来ているからひとつひとつの台詞に血が通っていて唸る。音効のセンスも光る。これが監督デビューというバリンホルツは脚本も手掛けていて才能が半端無い。あと彼は吉田麻也みたいな顔に趣きがあって凄く良いな〜

最後は広げた風呂敷を畳み切れていない印象もあるけど、それはそれで良い。何でもかんでも伏線を回収すれば良いってもんじゃないから。とは言えジョン・チョーの前職が何なのか凄く気になってしまう。そう言う匂わせが良い。セス・ローゲンの登場シーンで爆笑
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