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グリーンブックのtttのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
 黒人に対して嫌悪感を抱くトニー・リップとジャマイカ系アフリカ人であり、天才的ピアニストドクター・シャーリーがコンサートツアーを通して心情が変化していく話。
 南部においてドクター・シャーリーは白人専用のレストランへの入場拒否、夜間の外出禁止、同性愛者の扱い、多数の差別にぶつかる。しかし、トニー・リップは外見ではなく、ドクター・シャーリーの本質的な部分を見るうちに黒人に対する偏見が薄れていく。
 日を重ねていくごとにトニー・リップがドクター・シャーリーのピアニストとしての魅力に気付き、公演の度に音楽に聞き入っていた、それはトニー・リップの心情の変化の表れではないだろうか。
 本作は南部の差別問題を明瞭と表現していて大変分かりやすく、見応えのあるものであった。日本に暮らしているうちはこのような差別を目にすることはあまりない。しかし、広い世界に出て実際に目にし、耳にすることも必要ではないのかと感じた。映画や本、少し前に大きく取り上げられた「Black Lives Matter」の件で差別問題が存在することを知るものの、まだまだ私自身の意識が低いと痛感させられた。国内の例を挙げれば、同和問題、性差別、アイヌ民族、外国人差別などがある。これらの問題が存在しているのは事実であるが、私を含め、多くの日本人は「BLM」のように大きく取り上げられたものにしか関心が向いていないのではないかと思う。そうではなく、身近に存在するものにも目を向けていかなければならない。
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