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グリーンブックのRのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.6
舞台はアメリカ。1962年、NYのナイトクラブで働くトニーは、有名ピアニストのDr.シャーリーに雇われて約3ヶ月半南部ツアーについて回ることになる。

トニーは元々黒人差別をする側の人間だけど、自身もイタリア出身で同時に差別を受ける側の人間でもある。

そういう背景もあって、黒人というだけで理不尽な制限をされ、存在を無視されるDr.シャーリーの虚しさにより一層共感したのではないかなと思った。

二人の距離は簡単に縮まる訳ではなくて、互いの振る舞いに「悪いヤツじゃないみたいだ」と少しずつ心を許し合っていく。ケンタッキーのシーンでDr.シャーリーが初めて笑顔を見せた時に、何だかすごく嬉しかったな。その後も、二人が不器用な笑顔を見せる度に泣きそうになった。
 
「黒人=貧しい、白人は黒人を差別して当然」というスタンダードがある中で、白人の富裕層たちが自分をチヤホヤするのは知識人ぶりたいからだという台詞が心にずしんときた。

実際は差別的にマイノリティを扱うのにあたかも善良な理解者のふりをしている、という意味で企業やメディアがしきりに訴える"ダイバーシティ"がふと思い浮かんだ。

思考がまとまらないけど、考えさせられる映画だった。
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