裕福な黒人ピアニスト、シャーリーのもとに職探しのためにナイトクラブで用心棒を務めていたトニーリップがやってきたことから物語が始まる。
上流階級のような佇まいで、高慢なシャーリーと、粗暴で庶民派であり、黒人への差別意識もあるトニーは気が合わない。しかし、二人でサウシー(アメリカ南部)を講演旅行をするうちに、黒人への激しい差別と、シャーリーの苦悩を知るうちに二人の関係性にも変化が訪れる。
黒人とイタリア系の友情を美しく写したこの映画は最後まで見ていて本当に気持ちのいい映画である。笑あり涙ありとはこのことであろう。
一方で、ハリウッドに蔓延る、黒人を救い出す白人というこの伝統的なプロットはもはや時代のニーズにあっていないとも感じる。救い出した黒人を差別しているのが白人なのは誰もが知っていることなのだから。