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グリーンブックのCUのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.8
この映画、大好きだなあ。

黒人と白人のロードムービーと言うと、思い切り2人がぶつかり合って、徐々にお互いを理解していくみたいな、そんな内容を勝手に想像していた。

けれど、この映画は少し違った。ぶつかり合いもあるけれど、それによって2人の距離が物凄く近づいたりはしない。しかし、確実に相手を「知る」距離には近づいていく。その近付き方に敬意があり、非常に大人的だ。

それは、ヴィゴ・モーテンセン演じるトニーが旅の最初の方でドクの持つ深い孤独に気づいてしまうからかもしれない。

親しくなっても、どこか入り込めない深い孤独。しかし、トニーは無理矢理その孤独に分け入ろうとはしない。心を開けとも言わない。

少し距離をあけながらも、優しくドクを見守る。その、相手をさりげなく包むような温かい優しさに心を打たれる。そして、最後は自然とドクも心を開いていく。本当に、とても自然に。

まだまだ書きたいことが山のように出てくるなあ。それくらい良い映画だった。もっと早くに観ておくんだった。
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